STUDENT LIFE

学生生活

REMARK

学生の所感

常に一つのことを色々な角度から考える、一見関係ないことをつなげて考える習慣がついた。

STUDIO & SEMINAR

スタジオ・ゼミの活動

海外研究スタジオ

小宮スタジオ

小宮スタジオ

小宮スタジオでは、オーストリアを中心としたヨーロッパの文化や社会について、文献や視聴覚資料、ウィーンにおける現地訪問調査を通じて学んでいます。現地訪問調査では、参加者一人一人が自分自身の研究テーマを設定し、受け入れ先のウィーン工科大学のスタッフや学生を交えたワークショップでその内容を磨いてゆきます。また現地訪問調査以外でも、日本とオーストリアの文化や社会の比較研究を積極的におこなっており、学生が企画をして横浜を中心としたフィールドワークやレクチャー、発表展示等を展開しています。

長谷川ゼミ

長谷川ゼミ

長谷川ゼミでは、ゼミ生が事前に提示したテーマに従い、フランスやフランス語圏諸国を訪問調査しています。2019年度は「食文化と観光」をテーマに、チョコレートやビールなどの食材で知られるベルギー・リエージュ州に滞在しました。同州の小都市ヴェルヴィエにある中堅ショコラティエ(チョコレート職人)の「ダルシー(Darcis)」工房とそれに併設されているチョコレート博物館を訪問、なぜ当地やベルギーがチョコレートの産地となっていったのか五感に訴える展示や体験を通じて、時間空間的に学びました。

学生の声

海外研究スタジオ
藤掛スタジオ Iさん

私は2024年度のSVパラグアイ渡航に参加しました。大学入学後に藤掛先生に出会い、初めてパラグアイという国名を耳にして、調べていくにつれて、日本と異なる環境やその文化に憧れを抱くようになったからです。

パラグアイでは大きく3つの活動を行いました。①横浜国立大学XJICA草の根技術協力事業の学生チームとしての調査実践、②日系人の方々へのヒアリング、③学術交流協定大学との学術交流です。南米ならではの壮大な景色を堪能しながら、朝から晩まで組まれたスケジュールの中での活動です。活動を通し、現地の方々との素晴らしい出会いに恵まれ、大変充実した日々を送ることができました。日本と大きく異なる環境下で様々なことを経験し、これまでの人生の中で最も「密度の濃い」40日間だったと思います。

今改めて振り返っても、パラグアイに行ったことは、私の人生に大きな影響を与え、素晴らしい経験となったと確信しています。改めまして、パラグアイでの学びを得る機会を設けていただいた藤掛先生をはじめとする関係者の方々に深く感謝申し上げます。

社会文化批評スタジオ

朴スタジオ

朴スタジオ

朴スタジオでは文献の輪読にくわえて、フィールドワークを実践しながら、日本国内に見られる異文化を研究しています。
たとえばキリスト教は異文化理解においてとても重要なテーマですが、実は東京都心のど真ん中にもたくさんのキリシタン関連遺跡が残っています。都市開発の中で隠れている「日本の中の異文化」を探し出し、それらの史跡に歴史学、宗教学、芸術学、建築学といったさまざまな学問の立場からアプローチしています。

清田ゼミ

清田ゼミ

清田ゼミでは精神分析をベースに身の回りの様々な事象について考えていきます。身の回りの中心にいるのはもちろん「私」(自我)です。ところがフロイトは「自我は自分の家の主人ではない」と言っています。ラカンはこれを別の角度から「欲望とは他者の欲望」と言いました。あなたが欲しくてたまらないもの、それはあなたが決して手に入れることができないものです。
清田ゼミでは、この「手に入れることができないもの」を探求していくことで、各自各様の「私」の真の姿に迫ります。辛く厳しい道のりですが、実り豊かな体験でもあります。

学生の声

社会文化批評スタジオ
清田スタジオ Tさん

今までの人生でこんなにも「自分自身」について考えたことはありませんでした。

清田スタジオでは「自分自身」を取り巻く様々な物事について考え、文章に起こし、議論しています。その内容は映画だったり、精神分析だったり、ネット上のバズワードだったり、生い立ちだったり。「自分自身」に関わるものであれば何であれ、このスタジオにおいて議題に上ります。

そして、重要なプロセスとして「文章に起こす・議論する」ということ。精神分析家のジャック・ラカンは「無意識は自分の言説であるどころか他者の言説に他ならない」と述べています。自分の中の常識や考えは、他人の経験を通して形成され、それに触れるたびに再解釈されていくものです。議題に対して何を経験し、何を思ったかを持ち寄ることで、各々が真に「自分自身」の輪郭を掴むことができるのだと思います。

都市社会共生学科という場で学ぶ上で他者について考える機会は多々ありますが、私たちは「自分自身」と他者が相互に影響しあう世界に生きています。どちらかだけではなく、両面から物事を見つめることができるようになったという点で、私にとって清田スタジオでの学びは実り多いものでした。

社会分析スタジオ

共同スタジオ

共同スタジオ

社会分析スタジオでは、グローバル化の中で地域社会が内包する様々な現象・課題を問うための調査方法を学んでいます。
複数の教員の指導の下で、文献調査やインタビュー調査といった定性的手法を実際に体験したり、ソフトウェアを使用した統計分析といった定量的手法を通して、実践的に社会調査に取り組んでいます。(この授業は社会調査士の資格取得プログラムの一部となっています。)

松本ゼミ

松本ゼミ

文化人類学は、フィールドワークを通して、自らが「他者」「異文化」と感じる存在の理解を目指す学問です。その過程は、対象を異なると感じる自分自身の視点を問い直し、偏見や固定観念を内省する作業でもあります。
卒業論文では、この文化人類学の視点から、社会的マイノリティの支援や観光まちづくりなどの「社会問題」、就活、婚活、終活などの様々なライフステージに関する事柄、身体加工やポピュラー文化の実態調査など、学生が自分の関心で研究を進めています。

学生の声

社会分析スタジオ
佐藤スタジオ Hさん

都市社会共生学科、特に社会分析スタジオにおいて、自分がどんなことに興味があるのかを考え、自分自身とじっくり向き合う経験ができたことはとても貴重でした。

私自身、入学時点で、「まちづくりについて学びたい」と漠然とは考えていましたが、自分がどんなことに興味があるのかよく分からない状態でした。その中で、1年次に、ジェンダーや芸術、メディア論、開発協力など、自分が視野にも入れたことのない学問について、(良い意味で)広く浅く勉強し、徐々に自分の興味が「防災」に強く向いていることに気づかされました。

そして、2年生から所属した社会分析スタジオ及びゼミでは、自助防災や自治体の取り組み、地域防災の現状等を片っ端から調べていき、防災の中でもさらに、「津波被害に遭わないための避難行動」に強く関心を抱くようになりました。最終的にこのテーマは卒業研究の核となり、将来のキャリアを考える上での軸にもなっています。

卒業研究に際して、対象地域に何度も通い、調査を進めましたが、結果として自身の問いに対する決定的な答えは見つかりませんでした。しかし、研究に関して後悔はしていません。私自身、自分の中での大きな問いを見つけることができましたし、今後も考えていくべきテーマであることが実感できたため、この点では充実感を覚えています。

芸術文化スタジオ

カルパントラ・スタジオ

カルパントラ・スタジオ

映像制作・分析スタジオでは技法を学びつつ、映画・映像の哲学的な側面についても考えています。2021-2022年度は映画における「死」の描写を取り上げました。
映画の世界で人が「死ぬ」ことは珍しくありませんが、演者が実際にカメラの前で死ぬわけではありません。つまり、人が「死ぬ」瞬間は映画が制作物(偽物)であることを暴く瞬間でもありますが、それでも観客は映画の内容を「信じる」ことになります。この奇妙な現象はどこから生じるのか?映画作家たちはそれをどう捉えてきたのか?分析と実践を重ねながら考察していきました。

榑沼ゼミ

榑沼ゼミ

この地球という惑星に誕生したサピエンスの歴史のなかで、都市とは果たして何だったのでしょうか。そして都市はサピエンスだけのものなのでしょうか。私たちはどのような都市や社会、そして世界に生きることを欲するのでしょうか。現代の都市を超えるものをどのように私たちは想像することができるでしょうか。
《私たちはどこから来たのか 私たちは何者か 私たちはどこへ行くのか》と問いかけるポール・ゴーギャンの絵にも導かれつつ、人間、社会、自然の関係や、都市、社会、文明の未来の可能性について、ともに考えてみませんか。

学生の声

芸術文化スタジオ
榑沼スタジオ Kさん

我々が生きる都市や社会、空間を解きほぐしていく。

榑沼スタジオは年ごとに異なるテーマを扱います。西田幾多郎が愛した鎌倉やその海、菌類と藻類が層状に共生した「地衣類」のミクロの世界、世界の終わりにマツタケ達の織り成すアナーキズム。一見、つかみどころがないようにも思えますが、「都市や空間について様々な視点で向き合い直すこと」が根底にあります。そして、その支配的な権力や表象を解体し、自分たちでオルタナティヴな像を作り上げていきます。

各回、基本的な流れは「輪読と応答、学期末の制作」です。今年度は「地衣類、植物」を扱いましたが、ヴィンセント・ゾンカのLichens: Toward a Minimal Resistance(『地衣類、ミニマルな抵抗』は未訳でした)や今西錦司の『生物の世界』といったテキストを軸に、それぞれが面白いと思った部分を皆で解釈していきます。関連するような自然科学的な発見や、芸術、哲学、社会学の話題なども各自が持ち寄り、膨らませていきます。そうして、自らの中に耕していったもので、学期末に各自で作品を制作、展示を行いました。

榑沼スタジオの活動を経ると、この世界は思っているよりもずっと沢山の存在で満ち溢れているということに気づきます。その存在をどう見て、触れて、自分の手を動かして何が作れるか。とても楽しく、代えがたい経験となりました。

INTERVIEW

在学生インタビュー(2026年度)

Yさん

(2025年度入学・1年次在籍時のインタビュー)

なぜこの学科に進学しようと思いましたか?

芸術に興味があり、この学科を見つけました。正直に打ち明けると、芸術大学を目指す道も考えたものの実技受験に挑戦する勇気が持てず、普通科でありながら芸術系の先生方から学べる環境に魅力を感じ、ここに進学を決めたという形です。

入学前の印象と入学後の印象はどうですか?

学科の学びに対する印象は、入学前と大きくは変わっていません。ホームページの教員紹介ページで各先生が何を研究されているのか把握すると、入学前と入学後の印象のギャップは小さくできると思います。

その他の印象には多少の変化もありました。例えば、大学周辺に商業施設が少ないことに対する懸念はありましたが、地域に馴染むうちに学校から横浜駅までの移動が気軽なものとなるため、友だちと街で遊ぶ機会が多くあります。また、最寄り駅からの距離や坂道といった通学への不安もありましたが、慣れます。

実際に学んだことや印象に残っている科目などはありますか?

他学部と合同で受講する科目です。外国語の講義や理系科目を選択することで、他学部と同じ空間で学ぶ機会を得られます。文理融合はこの学部の特色ですが、文理両方の知識を得るというより、文理両方の知見を持つというか、理系の見方や考え方を軽く知ることができるという感じです。

文系としての自信が揺らぐこともありますが、その経験によって自分の立場や学びを見直すきっかけになります。現状にあぐらをかかないための刺激になっています。

学生生活には満足していますか?

はい。図書館に映画鑑賞スペースがあるのですが、DVDの品ぞろえは豊富だしいつもガラ空きなのでよく利用します。おかげで空きコマや休日の時間を満喫できています。

また、私はサークルに所属していませんが、学問にサークルにバイトと充実した生活を謳歌している友達は多いです。それぞれが自分らしい生活を謳歌できる環境であると感じます。

卒業後の進路などはどのように考えていますか?

まだ真剣に考えることはできていません。ただ最近、なんとなくの流れでこれまで生きてきてきたなと反省する機会が増えました。そのため、次の進路選択ではこのコンプレックスを克服したいです。これを夢物語に終わらせないためにも、学部生の今を無駄にしたくないという意識です。

ありきたりかもしれませんが、自分と向き合うことの必要性はひしひしと感じます。

最後に高校生や受験生に向けて一言ありますか?

自分の興味分野はあるものの具体的な部分は断定できないという慎重派の人には、とても合う学部だと思います。もちろん明確な関心をもっている人にとっても専門性を深められる環境であると思います。

私自身、受験期に都市科学部や都市社会共生学科について調べましたが、結局何をやっているかいまいちつかめなかった記憶があります。それは裏を返せば、それだけ多くの分野を包摂しているということだと思います。そして多分野に触れることで物事の捉え方・考え方を複数得ることができます。

以上が、1年生の現時点での率直な実感です。

Yさん

(2023年度入学・1年次在籍時のインタビュー)

なぜこの学科に進学しようと思いましたか?

高校時代の部活でディベートをやっていて、社会問題や社会で生じるコンフリクト全般について広い視野で考えたいと思って志望しました。

とはいっても実はここは第二志望で、正直言うと全く行く気はありませんでした。当時の私は第一志望に多大なエネルギーを費やしていたので。第一志望の不合格を引きずったまま後期試験の面接を受けたため、見事最低点合格でした。

進学を決めたのは合格が決まって少ししてからです。二次試験で大学に行ったときに自然豊かな校舎や優しい先生方に惹かれました。学科HPやシラバスでみた講義内容にも魅力を感じ、やりたいことがどんどん見つかって。最後は、シラバスの前書きにある「『世間の空気』や『近隣の人々の暗黙の希望』のために、自分自身の感覚・感情・知性を硬直させないでください」という言葉に背中を押されました。

立派な志望動機はないし、浪人も視野に入れていた私にとって第一志望を諦めるのは苦渋の決断でした。でも、あの時この学科への進学を選んでよかったと心から思っています。

入学前の印象と入学後の印象はどうですか?

入学前は、とにかく不安でいっぱいでした。HPやシラバスで得た情報で、この講義面白そうだなあ、この活動楽しそうだなあ、と思ったことも、実際に入ってみたら違うかもしれないし。でも入学前HPやシラバスで面白そうだと思ったものは、入学してからもやっぱり面白かったです。そういった意味では、イメージ通りでした。そして学びの内容も活動も教授も学生も、入学前の印象よりずっとずっとよかったです。

実際に学んだことや印象に残っている科目などはありますか?

途上国支援に関心があり、春学期に藤掛洋子先生の「パラグアイ事情」を履修しました。そこで、ただ先進国の在り方を押し付けるのではなく、相手の国の価値観やアイデンティティを大切にした開発の重要性に気が付きました。現在履修している佐藤峰先生の「コミュニティデザイン講義」では、開発の在り方についてより理論的に学んでいて、春学期の興味を深めることができています。また中野佑一先生の「都市共生論Ⅰ」をはじめ、格差・貧困について多面的に学ぶ機会も多く、今一番関心を持っているテーマのひとつです。

もともと興味がなかった分野の講義では、今まで知らなかった「価値あるもの」と出会うことができました。「芸術文化基礎論」では芸術やポピュラー文化がもつ価値を知って感動しました。「MAB計画とSDGs」「地域連携と都市再生A」では様々な事例を通して、まちづくりの在り方が都市問題を解決しうると知り、ワクワクしました。この感動が自分の興味関心とどう結びつくかまだわからないけれど、知っている「価値あるもの」が増え、見ている世界が色づいていくのは、やっぱり面白いです。こうした学び方ができるのは、取り扱っている分野が広い都市社会共生学科ならではの魅力だと思います。

学生生活には満足していますか?

大大大大大満足です!

学外活動が充実しています。「地域課題実習」という実践科目があり、その中の2つの団体で活動しています。「南米農村部での学びを生かした横浜『共生』プロジェクト」では区内の団地の一室を借りて、多様な背景をもつ子どもたちが居心地よく過ごせる空間をつくるべく試行錯誤を重ねています。「BOSAIラボ」では同じ学部内の都市基盤学科・環境リスク共生学科の方々と知見を共有し、様々な角度から防災について取り組んでいます。他にも、夏休みにはポートランドSVに参加し、アメリカのポートランド市に渡航して自然や人に配慮した都市・コミュニティについて学びました。

人間関係も充実しています。学科の友人たちが大好き!サークルで精力的に活動していたり、新しい団体を立ち上げたり、とにかく何事にも一生懸命な人が多く、彼らの存在が大きな刺激になっています。講義後に異なる興味関心を持つ友人と意見共有すると、新たに気づけることが沢山あって楽しいです。友人がきっかけではじめたボランティアは自分の価値観を変える大きな出会いになりました。秋には学科の友人たちとYouTubeでラジオ番組をはじめたので、こちらも頑張りたいです。個性的で尊敬できる友人ひとりひとりとの縁を、これからも大切にしていきたいです。

卒業後の進路などはどのように考えていますか?

大学院に進学して、人文系の研究を仕事にしたいです。開発や格差などのテーマを深く考えたいし、他にも知りたいことで溢れています。加えて、学科の基礎科目で様々な研究に触れ、研究というものに興味が湧いています。インタビューなどの質的な調査や統計を用いた量的な調査を通して社会における事象の複雑な結びつきを明らかにしてみたい。文献を読み込んで現代の社会構造を批判的に捉えなおしてみたい。知らない土地に踏み出し、異なる文脈を持つ人々の立場にたって新しいことを発見したい。大学生になってはじめて踏み入ったこの学問という世界に、大きな憧れを抱いています。

最後に高校生や受験生に向けて一言ありますか?

受験勉強や進路選択は不安も沢山あると思います。でも、そこで悩み考えたことは、決して無駄にはなりません。自分の納得できる学習を、選択を、積み重ねていってください!思うような結果でなくても、その経験が、新しい道での味方になってくれるはずです。

そして都市社会共生学科は本当に素晴らしい学科です。ここを志望している皆さんは自分の選択に自信をもって、最後まで頑張ってください!思っているよりずっとずっと沢山の学びがあなたを待っています!!

INTERVIEW

卒業生インタビュー(2026年度)

Rさん(写真は代理:都市科裏のカラスさん)

(海外研究スタジオ、2025年卒、現在は広告代理店勤務)

なぜこの学科に進学しようと思いましたか?

自分は、学問としては社会学と哲学に興味があり、同時に趣味としてサブカルチャーや芸術にも強い興味がありました。都社共は、その全てを学問として学べる場所だったからです。最終的に決めたきっかけは、須川先生のアニメやポピュラー文化の研究が珍しく、面白そうだと感じたからだったと思います。

印象に残っている科目はありますか?

特に印象深いのは2、3年のスタジオ授業です。先生と近い距離で色々教えてもらえるので、たくさんの気づきをもらえたなと思います。自分の場合、大須賀スタジオでは文献と格闘して読解力がついたなと思うし、榑沼スタジオでは制作などを通して発想力がついたなと思います。

その他で言うと、平野先生のジェンダー論の授業は面白かったです。彦江先生の授業も、文学や物語論というテーマが面白かったです。他にも沢山、面白い科目がありました。先生方の個性が強く出るからこそ、関心や考え方が近い先生の授業は特に面白く感じたと思います。

進路はどのようなタイミングで決めましたか?

大学での勉強は楽しかったので進学も考えましたが、家庭の事情もあり、2年の末には就職しようと決めていました。

3年の春頃から色々な就活イベントに顔を出し始めました。途中まではデザインに関係する仕事がしたくて、デザイナー向けの就活イベントにも行ってました。でも、結局、誰かに言われたものを作るという仕事よりも、デザイナーと依頼者のどちらもより良い仕事ができるように両者のことばを「翻訳」して繋げるような仕事のほうが、向いているし、やりがいを感じられると思い、広告代理店のディレクター職で就職しました。内定は4年生の5月頃もらったかと思います。

大学生活を振り返ってみると自分は何を学んだと思いますか?

一番学んだのは、いかに自分が無知であるかということです。不思議なことに、学べば学ぶほどわからないことが増えて。うちの学科は特に様々な分野を学ぶことができるので、「こんな世界もあるんだ!」「こんなに沢山の名著があるんだ!」と、学べば学ぶほど次に学ぶべきことが出てくる感じで。

でもだからこそ、世界は自分の思ってるよりも多様で広いのだから、すぐに決め付けたり、偏見で語るのではなく、常に様々な視点から物事を捉えていこうと思えるようになったと思います。そこは成長したところかなと。

学科への今後の期待はありますか?

多様性とか共生とか、そういう理想の社会像を口先だけで語るんじゃなくて、その価値を本当に信じる人が集う場所であってほしいと思います。社会は決してどこか遠くにあるのではなく、目の前の人間関係から始まると思うので、それを大切にしていける学生さんたちにこそ、この学科の多様で自由な学問を修めてもらいたいと感じます。

また、AIが大きく発展してきたこの時代に大学生になる世代の皆さんにこそ、人間が必死に書いたものに対して必死に食らいついていく経験の中にある自分の成長とか、上手くいかなさと格闘することの楽しさを、この学科で学んでいってもらえたらいいなと思います。

授業以外でも学生生活を振り返って面白かったと思うことはありますか?

サークルを通して友人ができたことですかね。うちのサークルは学祭の度に何かしらイベントなどやっていたので、それに参加するのも楽しかったです。

あとは、私、図書館が大好きなんで…図書館で誰も開いたことの無さそうな本を開いてみたり、古く茶々けた古典の翻訳と出会ったり。図書館探索はめっちゃ楽しかったです。オススメ。

今後の学科生に言っておきたいことはありますか?

大学時代はそれまでの高校生活と比べると、なんでもできる!って感じると思います。バイトも、趣味も、サークルもその選択肢のひとつ。でも、学問に向き合うことも、そのひとつです。真面目に勉強する人が冷笑されたり、遊んでいる奴のほうがかっこいいなんて価値観もたまにありますけど、私がこの学科で「この人とはこれからも友人でいたい」と思った人たちはみんな、勉強にも楽しそうに取り組んでました。そういう人のほうが、人間としての深みを感じる、っていうのかな。もちろん遊ぶのも大学生の特権だと思ってる派なので、それもまたアリだと思います。

たくさん遊んで、働いて、休むときはしっかり休んで、そして遊ぶように学んで、素敵な4年間にしてください!そうしてこの学科で学ぶ皆さんと、いつか何処かで出会ったとき、友人になれたら嬉しいです。

Tさん

(社会分析スタジオ、2024年卒、現在は公務員)

なぜこの学科に進学しようと思いましたか?

したいことと、なりたい自分を見つけたいと思い、この学科に進学しました。

高校時代、私はなにを学びたいのか、そして将来どんなことをしたいのか、どんな生き方をしたいのか、ずっと漠然とした不安を抱えていました。そのため、したいことを見つけることと、自分自身についてもっとよく知りたい・知るすべを身につけたいと思い、幅広い学びができる学部学科を探していました。そんな時にこの学科の存在を偶然知り、街の風景を眺めたり、そこに暮らす人の営みを想像したりすることが好きだったこともあって都市とその文化について幅広く学べるこの学科を志望しました。

学科には、やりたいことが明確に決まっていてそれに向かって邁進している人や、私と同じように将来や自分自身について思い悩む人など、本当に様々な人がいました。そういった人たちに影響されながら多くのことを考え、多くのことに気付くことができました。そのすべての時間が私の人生にとって財産だと思います。

印象に残っている科目はありますか?

2年生から3年までのスタジオ科目です。

スタジオでは、2つの異なる分野の先生のスタジオに入って学びます(一般的なイメージでは2つのゼミに入っている感じでしょうか)。私は、鎌原スタジオと清田スタジオに入っていました。それぞれ政治学と、精神分析(心理学)を主な専門とする先生のスタジオでした。鎌原スタジオでは、問題についてアプローチする際、確かなデータを集めて積み上げていきながら解決に導くような方法を教わりました。一方で、清田スタジオでは、ある問題についてどんどん想像力を働かせていって、思わぬところから解決策を出すような方法を教わりました。

当初は、全く異なる世界観のスタジオに困惑しましたが、スタジオでの学びを通して自身のものの考え方の癖について客観視でき、また異なるものの考え方について理解を深めることができました。

進路はどのようなタイミングで決めましたか?

時期としては、大学3年の春で、公務員になろうと決めました。

大学やアルバイト、ボランティアなどで様々なことを経験する中で、これが私のしたいことだというものに出会えていなかったことから、これまでの学びを活かしつつ幅広い仕事ができる公務員になろうと決めました。

大学生活を振り返ってみると自分は何を学んだと思いますか?

私は、大学生活を通じて、唯一の答えがない問題を考える方法を学んだと思います。

私は、昔から答えの決まっている問題について考えるのは得意であった半面、答えがない問題について自分の考えを持ったりすることが大の苦手でした。学科では、答えが唯一でない問題について考えることがほとんどでした。思い返せば、悪戦苦闘の日々でしたが、それらを通じて答えのない問題に自分なりの答えを持つことが以前と比べてずっとできるようになりました。

学科への今後の期待はありますか?

自分の将来や自分自身について悩んでいる人たちにとって、それらについてじっくり悩み、考えることのできる場所でありつづけてほしいと思っています。また、横国は、社会科学系の学部と理工学系の学部が主であり、実学の色が強い印象なので、人文学系の色が強い学科として大学内に異なる学びの選択肢を示し続けてほしいと思っています。

授業以外でも学生生活を振り返って面白かったと思うことはありますか?

最寄駅から大学までの通学やキャンパス内を歩くことが面白かったです。最寄駅から大学までは、徒歩で約15分くらいでした。高校までは、平坦な土地でしか生活したことがなかったので、大学周辺の高低差の大きな土地を歩くのは新鮮で楽しかったです。色んなルートを使って大学まで歩きました。また大学の門をくぐってキャンパス内へ入る際は、どんどん上にのぼっていきます。大変であった半面、どこか特別な場所に行くような気持ちにいつもなっていました。

今後の学科生に言っておきたいことはありますか?

大学時代は、人生の中で「無駄にしてもよい」数少ない時間です。何か新しいことをするにはこれ以上の機会はないと思います。今までやったことのなかったことに挑戦するとき、上手くいかなければ時間を無駄にしてしまうと考えがちです。でも、それらに向かって一生懸命取り組んだ経験や、そこで悩み考えたことは、取り組んだ結果に関わらず大いに価値があるはずです。損得勘定を抜きにして、ワクワクする方向へどんどん飛び込んでほしいと思います。

Hさん

(社会分析スタジオ、2024年卒、現在は大学院生)

なぜこの学科に進学しようと思いましたか?

私はもともと好奇心旺盛で興味関心の範囲が非常に広かったので、国立大学の出願直前まで大学で何を学びたいか決めきれずにいました。そんな中、新型コロナウイルスの感染が急激に拡大し、直感的に生活や価値観が変わるような大きな出来事だと考えました。そんな不安定な時代に学ぶなら、自然環境も含めて人間の活動のソフトもハードも広く理解したうえで、今後進むべき方向性を見定められる人間になりたいという、おこがましくも壮大な理想を持って都市社会共生学科への進学を決めました(笑)

印象に残っている科目はありますか?

2・3年時に履修していたファビアン・カルパントラ先生の映像制作分析スタジオです。映像分析は未知の領域で、分析手法などを理解するために様々な映画を見ながら考えました。また、自分で映像を制作するなかで「映像を作る」という行為そのものが持つ権力性について深く考えさせられました。結果的には、映像制作・分析の分野への進学や就職を選択しなかったものの、映像分析の手法を学べたことで情報媒体を読み解く視点が増えました。そして、何よりゼミの友人と映像制作をしながら様々な社会問題について議論できた時間は大変貴重でした。

進路はどのようなタイミングで決めましたか?

1年の間の学習が非常に楽しくて、できれば大学院に進学して専門性を身に着けたいという気持ちがありました。しかし、研究への適性があるか分からない中、2年生の夏頃から、大学院に進学するか就職するかを周囲の先生方や両親に相談し始めました。3年生からは、幅広い業界のインターンに参加することで、働くことへのイメージを深めました。同時期に、社会学で大学院に進学する場合に必要になりそうな歴史や理論の学習を進めました。学習を進めるうちに、労働環境を統計的に分析できる専門性を身に着けたいと考えるようになり、大学内外の先生方に相談に乗っていただきました。最終的には4年生の4月下旬ごろ、横浜国立大学の先進実践学環という学府を跨いで指導をしていただける環境を利用して、教育学部の新谷先生に社会学の理論を、経済学部の大森先生に統計の手法を指導してもらい研究することになりました。

大学生活を振り返ってみると自分は何を学んだと思いますか?

入学当初から意識的に学んだことが大きく2つあります。

1つ目は、自分と異なるバックグラウンドを持つ人と関わる際に、上手く折り合いをつける能力です。学科の講義で学べる様々な学問の理論や歴史は、他者を理解する枠組みを整理するのに役立ちます。また、スキューバダイビング部やジャズ研究会、105(留学生交流団体)、地域課題実習のみなとまちプロジェクトでの活動、長谷川ゼミでのフランス・スイスへの渡航、カフェでのバイトなど、実際に多様な人と関わる実践を通して、人の価値観は想像の範疇を超えて多様だと気づきました。結果として、心からの関心を持って一生懸命かつ謙虚に話を聞き、自分と異なる意見を持っていてもとりあえず受け止めてみることが大切だと学びました。

2つ目は、情報を精査し、さしあたりの判断軸をもとに分析する能力です。卒論執筆において、鎌原先生にご指導いただきながら、多くの論文を読み、問題意識と分析枠組の設定や分析結果の解釈などを慎重に行いました。その中で、いかに信頼できる情報を集め、他者に伝わる論理構造で分析を行うかということを実践的に学びました。

学科への今後の期待はありますか?

都市社会共生学科は、様々な学問を同時に学べるからこそ、各学問分野の特色を比較しながら理解することができます。そして、複数のスタジオでの学びを通して、ゆっくりと専門にする学問分野を選ぶことができます。また、地域課題実習や海外SV(ショートビジット)、空間芸術・ZINE(手作り冊子)・映像作品の制作など、実践的に学ぶ機会も豊富にあります。

ぜひ興味を持ったことを軸にしつつ、実社会の複雑な物事の折り合いやバランスを考えながら慎重に価値判断できる人に自分もなりたいですし、そんな人材が育つにはもってこいの場所だと思っています。

SHORT VISIT

ショートビジット(SV)体験記

パラグアイSV

私は高校生の頃からパラグアイ渡航に参加したいと考えており、このプログラムは横浜国立大学を志望した理由の一つでもあります。国際協力に関心を持っている私にとって、現場に根ざした実践的な活動を行う藤掛スタジオで学び、実際に現地を訪れることは大きな目標でした。

渡航前には、開発やジェンダーに関する学習に加え、スペイン語での発表準備や現地で実施する活動内容の検討などを行いました。準備の段階から学生同士で議論を重ね、自分たちで考えたテーマを形にしていく過程は大きな学びとなり、その経験が実際の現地活動にも繋がったと感じています。実際にパラグアイを訪れて強く感じたのは、「自分の知らない場所にも、人の営みが当たり前に存在している」という事実です。特に日系移住地を訪れ、同世代の方々と日本のアニメの話題で盛り上がった経験は強く印象に残っています。遠いと思っていた場所で、自分が当たり前に触れてきた文化が共有されていることに驚きと喜びを感じるとともに、世界は想像していたよりもずっと近いのだと実感しました。

また、滞在期間を通して感じ続けていたのは、パラグアイの人々の温かさです。言葉が十分に通じない場面でも自然に関わろうとしてくださる雰囲気があり、その温かさは日常の中に当たり前のように存在していました。こうした経験は、文化や言語の違いを越えて人と人が関わることの本質を考える契機になったと感じています。さらに、本渡航に向けた準備期間から現地での活動、帰国後の報告会や報告書作成に至るまでの一年間を共に歩んできたメンバーの存在も、この渡航で得た大きな財産となりました。目標に向かって協力し、困難を乗り越えてきた過程の中で育まれた関係性は、大学生活の中でも得難いものであり、今後の人生においても支えとなるものだと感じています。

今回の渡航は、単に海外を訪れる経験にとどまらず、自分自身の立ち位置や社会課題への向き合い方を見つめ直す大きな機会となりました。高校生の頃に憧れていた場所に実際に訪れ、そこで得た出会いや経験は、これからの進路や生き方を考えるうえで大きな指針になったと感じています。学生という限られた時間の中で現地に赴き、人々と交流しながら得られる学びは、机上の知識だけでは到達できない、何にも代えがたいものだと実感しました。長年にわたり渡航を支えてくださった藤掛先生をはじめ、日本および現地でご尽力くださったすべての関係者の皆様に心より感謝申し上げます。この経験を通して得た気づきや問いを大切にしながら、これから自分がどのような選択を重ね、世界と関わっていくのか。その広がりを楽しみにしています。

Eさん
(海外研究スタジオ/藤掛スタジオ、2025年パラグアイSV参加)

パラグアイSV

「海外へ行くことが怖い」。かつての私は、その思いから高校時代に与えられた多様な留学機会をすべて見送ってきました。しかし大学入学を機に、「自分を変えたい」という強い決意を抱き、あえて自らを厳しい環境に置くことを選びました。それが、地球の裏側・南米パラグアイでのプロジェクトへの参加でした。

当初は期待よりも不安の方が大きく、準備の段階からその規模の大きさに圧倒されました。8月26日に羽田を出発し、31日間に及ぶ行程には、横浜国立大学関係者だけでなく、現地の大学関係者やホストファミリーなど、多くの人々が関わっていました。地元という小さなコミュニティで育った私にとって、目の前に広がる世界はあまりにも広大で、正直に言えば、その責任の重さに絶望すら感じたこともありました。しかし、パラグアイへ渡航するという「一歩」を踏み出したことが、結果として私の人生を大きく変える契機となったのです。

8月27日にアスンシオンに降り立ってから、私たちの活動は多岐にわたりました。在パラグアイ日本大使館やJICA事務所への表敬訪問、現地大学での学術・文化交流、さらに各地でのホームステイを通じて、現地の生活の深部に触れる機会にも恵まれました。

そこで目にしたのは、私たちが当たり前だと思っている価値観を揺さぶる現実でした。インフラが未整備で厳しい社会環境がある一方で、そこに暮らす人々は日本から来た私たちを家族のように温かく迎え入れてくれました。また、農場での搾乳体験や乗馬体験を通して、パラグアイにおけるアグリツーリズムの可能性も実感しました。

旅の後半、9月20日にパラグアイを離れた私たちはペルーへと渡りました。クスコやマチュピチュといった壮大な世界遺産を目の当たりにし、人類の歴史の重みを体感しました。さらに首都リマでは日系人の方々と交流し、移住資料館を訪れました。先人たちがどのような思いでこの地に根を張り、信頼を築いてきたのかを伺った時間は、日本人としてのアイデンティティを改めて見つめ直す貴重な機会となりました。

この1ヶ月間、言葉にできないほど多くの刺激を受けました。現地で出会った人々の笑顔、時に直面した厳しい現実、そして共に切磋琢磨した仲間たち。そこで得た気づきをすべて言語化するには、まだ時間がかかるかもしれません。しかし、一つだけ確信していることがあります。それは「挑戦しなければ、この景色は一生見ることができなかった」ということです。

大学生活は、自ら限界を定めるのではなく、未知の世界へ飛び込むための最高のプラットフォームです。今回の渡航で得た感謝と成長を糧に、これからも学び続け、自分自身をさらに高めていくことを誓います。

Yさん
(海外研究スタジオ/藤掛スタジオ、2025年パラグアイSV参加)

オーストリアSV

2023年度のショートビジット(SV)は11月から12月にかけての10日間で行われました。現地の人も驚くほどの雪が降り積り、気温0℃前後のなか凍えながらの研修となりました。これほど寒いのに温かい料理が少ないのは予想外でしたが、パンはとても美味しかったです。ウィーンのまちはクリスマス一色に染まり、夜は至る所でクリスマスマーケットが開かれていました。日本での地域の祭りを思い出しながら歩くと、全く違う屋台の使われ方が見られる一方で、共通する文化もあり、多くの驚きがありました。石造りの厳かな街並みに鮮やかな装飾が映え、ウィーンの空に舞う大粒の雪は幻想的でした。

ウィーン工科大学(TU WIEN)では英語による講義を受け、私たちも英語でプレゼンをしました。空間の使われ方を考える課題にも取り組みましたが、それは日本での学びを活かしながら、実践的で、しかも海外の事例を通じて学ぶことができる素晴らしい機会でした。個人的にテーマとしていたことでは、対面でのインタビューをしたいと思い、事前に日本からメールでアポを取り、1対1でお話を伺いました。英語での表現が分からず苦戦しましたが、伝わらない部分は言い換えながら何とかインタビューをすることができました。もっと英語に自信があれば、他の方にもお話を伺いたかったです。

SVを終えて感じたことは、日本でしっかり事前の調査した上で行くと、自分の感覚と異なる点や、日本にあるものと似た点を見つけやすくなり、現地での学びが深まるということです。そして何より、ヨーロッパの文化に触れられることがオーストリアSVの最大の魅力です。オーケストラをはじめ、オペラ、ミュージカルを見に行くこともできました。歴史的な建築物に囲まれ、テレビでしか見たことのない黄金の装飾が施された音楽ホールで演奏を聴き、現地の人がウィーンの音楽と歴史をどのように守っているのかを肌で感じる。そんな貴重な体験ができました。このチャンスをぜひ多くの人に掴んでほしいです。

Kさん
(海外研究スタジオ/小宮スタジオ、2023年度オーストリアSV参加)

パラグアイSV

羽田空港を出発して飛行機で35時間、日本から見て地球の裏側に位置する南米の国、パラグアイ。高校3年生の時、私はまさか2年後の大学2年生の夏休みに、パラグアイを訪れることになるとは夢にも思いませんでした。生まれてきてから19年間、日本で暮らしてきた私にとって、パラグアイで過ごした32日間は、驚きと感動の連続でした。特にA村でのホームステイは強く印象に残っています。そこでは夜道を照らす街灯や舗装された道路はなく、赤土の大地と緑の草原が広がっていました。

A村での朝は鶏の鳴き声から始まりました。家の中では可愛らしいひよこがてくてくと歩き回り、道中では牛や豚と出会いました。荷物を運ぶために牛車を使う男性もいました。そして、ホストファミリーは私を「Mailo」と呼び、決して裕福とは言えない状況でも「異国人」である私たちを家に迎えてくれました。彼らはパラグアイにきた「日本人」としてではなく、「本当の家族」として接してくれました。私はスペイン語をうまく話すことはできませんでしたが、ホストファミリーの「温かさ」が私の不安や緊張を和らげてくれたため、「言語の壁」を超えていけそうな気がしました。

A村の人々が持つこの「温かさ」こそ、異なる文化への理解、あるいは多文化共生社会の実現が急がれる現代において求められるものであり、急速な都市化の中で失われつつあるものだと思います。もちろん、A村は日本と比べて社会制度やインフラなどで整備されていない点も多いですが、都市生活の中で失った「人々の温かさ」など貴重なものがそこには確かにありました。また、今回のA村でのホームステイを通じて「地域社会」の重要性を再認識しました。日本の裏側に、自分がまた帰りたいと思える場所、自分の「故郷」と呼びたいと思える場所ができたことを非常に嬉しく思います。このような貴重な経験のきっかけを作ってくださった藤掛教授をはじめ、パラグアイ渡航を支えてくださった全ての方々にこの場を借りて感謝申し上げます。¡Muchas gracias!

Kさん
(海外研究スタジオ/藤掛スタジオ、2023年パラグアイSV参加)

パラグアイSV

私はパラグアイ渡航に参加することが横浜国立大学を志望した理由の1つでした。幼い頃から国際協力に興味があり、現場に根付いた実践的な活動を行っている藤掛研究室で学びたいと考え受験を決意しました。この夏パラグアイで初めて赤土道を目にしたとき、尊敬する藤掛先生や先輩方が見てきたこの地にようやく自分も足を踏み入れることができたのだと、深く感動したことを覚えています。

私は1年次からパラグアイの伝統工芸であるニャンドゥティのフェアトレード活動に携わってきました。作り手の方へのインタビューを通して彼女たちの生活がいかに厳しいものであるかを知りました。このことはこれまで読んできた文献から知識として知っていたことではありましたが、実際の対話を通じてその深刻さが実感値として得られ、どこか他人事であった問題との距離がぐっと縮まったように感じられました。これは、今まで理解していたつもりになっていた事実が単なる知識から智慧に変わった瞬間であり、フィールドでしか得られない学びであったと感じています。

渡航で得た最も大きな学びは「見えないものを見る力」を持つことの大切さです。例えば、作り手の方の生活への不安やニャンドゥティに込める思いは商品には書かれていません。それゆえ、見えない彼女たちのものがたりに想像力を働かせること、彼女たちの声に耳を傾けて見えないものを見ようとする努力が必要になります。また、現場で印象的であったのは、一人一人の声や考え方に寄り添い丁寧に耳を傾ける藤掛先生の姿でした。その姿から、私はこれまで現地の人々を「パラグアイの人々」とひとくくりに見ようとしていたことに気付きました。一人一人の生活や抱える想いが一様ではないということは当たり前のようで忘れがちなことです。現場での経験を通して、見えないもの、見えづらいものを対話を通して見ようとする姿勢を培うことができたと思います。そのうえで、対話を通して見えてきたものを他者へ伝えていくことが私の責任であると考えています。

今回の渡航は国際協力の生の現場を見る貴重な機会でした。現地でのコンフリクトや学生の配慮不足によるトラブルなど、物事が計画通りに進まない歯がゆさも経験しました。思えば、私が国際協力に興味を持ったきっかけは、途上国や新興国で苦しむ人々を救いたい・力になりたいという想いからでした。しかし、実際に現場に入ってみるとパラグアイの方々から教えられ、助けられることの方が多かったように思います。私たちは、現場で何か貢献する存在というよりむしろ現場にお邪魔させていただく立場であり、自分が途上国・新興国の人々を「助けてあげる」というような考えがいかに傲慢であったのかを感じさせられました。決して裕福とはいえない暮らしの中でもあたたかく私たちを迎え、かけがえのない時を共にしてくださった現地の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

長い間この渡航を紡いでくださった藤掛先生をはじめ支えてくださった全ての方への感謝を胸に刻み、ここで得たかけがえのない経験と出会いを今後の人生の糧としていきます。

Iさん
(海外研究スタジオ/藤掛スタジオ、2023年パラグアイSV参加)
台湾SV

皆さんは「外国人」になったことはありますか?

私は2年次に台湾SVに参加し、人生で初めて海外に行きました。忘れもしない、初めて口にしたペットボトルのお茶の味。お茶なのに甘いのです。意味が分かりません。市場のおばちゃんはご飯を食べながらお客を待っています。平気でスマホを触っています。「変わったところだな」と思いました。しかし冷静に考えれば、「台湾が変わったところ」なのではなく、台湾から見れば「私が変わった人」なのです。この考え方は20年間日本を出ずに生きてきた自分にとってとても衝撃的なものでした。台湾で過ごした10日間は、学習面だけでなく、それ以降の私の生活に大きな影響をもたらしました。可能な限り、物事を様々な立場から考えようと思うようになりました。今まで興味を持っていなかった分野に積極的に目を向けるようになりました。机に座って何時間勉強しても学ぶことができない、本当に貴重な経験ができました。

SVでは、観光旅行では普通行かないようなディープなスポット(大衆食堂や、地元の人向けのスポットなど)をたくさん巡ることができます。そして現地について熟知した先生、心強い先輩や同級生とともに行動するため、現地語が分からなくても問題ありません。これまで海外に行ったことがない人、行ったことはあってももっと深く知ってみたい人、ぜひ、SVに参加してみてください。きっと想像以上の経験があなたを待っていることでしょう。

答え合わせはまたいつか

あまりにSVが充実していたため、卒業までにもう一度訪台しようと考えていました。しかし、コロナの影響でそれは叶いませんでした。後悔ではありませんが、学生生活を振り返って「惜しいな」と思うことの一つです。ただ、この2年間で新たな台湾についての知識や興味が増えました。台湾を知ることが新しく趣味になりました。卒業しても、コロナが落ち着いたら台湾に行って、それらを確かめてこようと思っています。単位のため、成績のためではない、純粋な「興味のかけら」が、私の大学生活には落ちていました。そして私はそれを見つけることができました。皆さんも、それぞれの「興味のかけら」に出逢えますように。

Mさん
(海外研究スタジオ/辻スタジオ、2019年台湾SV参加、現在は地方公務員)